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ずいぶんと間が開いてしまいましたが、グリラーができるまでの2回目です。
(前編・後編の予定でしたが終わりそうもないのでシレっと変えちゃいます)
1回目は「素焼き」まで終わりましたので、2回目は「施釉」から始まります。
施釉というのは「釉薬(ゆうやく)」をかける(塗る)ことです。釉薬は「うわぐすり」とも呼ばれ、焼き物の表面のガラス質の部分。
透明でガラスのように透き通っているもの、マットと呼ばれる艶消しのもの、「窯変」と呼ばれる表面が不思議な感じ(笑)なものなどたくさんの種類があります。
イメージとしては「塗る」かもしれませんが、業界では「かける」ということが多いです。
方法は大きく分けて3つ(他にもあるかも…)
①ずぶがけ(どぼがけ)
産地によって呼び方が微妙に違います。
②スプレーがけ
③尺がけ
グリラーは①ずぶがけで施釉します。
製品を大きなバケツに「ぼちゃん!」と突っ込むのですが、手でやると指先の跡がつくので、
なるべく陶器と接地面が小さいもので挟みます。
その道具がコレ!
呼び方は見た目のとおり「はさみ」正式名称は知りませんがw、みたまんま素焼きをはさむために使います。
先が尖っているので、ほとんど跡が残りません。
切る「ハサミ」ではなく「はさむ」ためのモノです。
製品に合わせて、いろんな形や大きさがあります。
さあ、いよいよ「施釉」です。
説明が長くなりましたが、動画でみていただくと一目瞭然!
熟練された匠の技が光ります✨
お気づきになりましたか?
入れる時より出す方がゆっくりなんです。
これにより、釉薬の垂れが少なくなるんです。
※釉薬の種類によって流れ方がことなりますので
すべてに当てはまるわけではありません。
かけたあとは、余分な釉薬が付かないようにアミの上に置きます。
右と左で色が違うのお分かりですか?
左はほぼ乾いた状態なので、手で持つことができます。
素焼きはビスケットみたいに水分をドンドン吸うので、
表面に釉薬の成分が残ります。
焼くことによって化学変化を起こしカチカチになるんです。
釉薬はガラスの材料と似ていて、これに石とか粘土とか顔料(絵の具)などを混ぜてあります。
グリラーは耐熱陶器なので、釉薬にも耐熱材料が入ってます。
材料の影響もあり耐熱陶器のほとんどはマットと呼ばれる
艶消しの仕上がりになります。
焼き上がりがツルツルピカピカでもザラザラでも
かける前の釉薬では判断はつきにくいです。
色はなんとなくわかるものもありますが、全然違うものもあります。
釉薬をかけたあとは、そのまま焼くと棚板にがっつりくっつくので板と触れる部分は剥がす必要があります。
これも産地言葉なんでしょうけど「しり拭き」と呼んでます(笑)
水分を含んだスポンジで拭くので、綺麗になりますよ~
釉薬をかけ終わったら、いよいよ窯詰めです。
余談ですが、下から上へつむのは「積む」
窯をつめるのは「窯詰め」
同じつむでも文字が違いますよね?
これは昔は「穴窯」のように窯の中に文字通り「詰める」ということからきたのでは?と勝手に想像してます。
現代の窯は台車(窯の土台)に下から上へ積む作業です。
なので、ここでは工程に関して「積む」とさせていただきますね。
・一番下からこの支柱を並べて製品を置き棚板を置く。
↓
・一段目が終わったら二段目を積む
↓
・これを繰り返しながら上まで積んでいきます。
この支柱 四日市では「ツク」と呼びます。
どうしてそう呼ぶのかは誰に聞いてもわかりません(笑)
とにかく「ツク」と呼びます。
いろんな高さ(長さ)があって、製品に合わせて使い分けます。
グリラーは低めの「ツク」を使います。
こんな風に高さを変えられるので、無駄なく窯詰めができます。
ここまでくると、いよいよ本焼きです。
次回はようやく完成品が見られますよ♪